2016年2月25日木曜日

いよいよ明日。『君は即ち春を吸ひこんだのだ』

『君は即ち春を吸ひこんだのだ』は、明日というか今日の19時よりいよいよ初日を迎えます。キャストさん、スタッフさんに恵まれるという非常に運の良い戯曲です。
さてさて、執筆時もその後も何かとこの戯曲について思う時には、きまって僕は宇多田ヒカルさんの『WINGS』という曲を聴くのです。今もこうして書きながら聴いてます。
歌詞は微かに繋がっているような感じですけど、何より曲調がとってもこういう感じっていう、勝手に盛り上がれます。初日、本番前のソワソワしてしまう時間にやはりこの曲を聴くのだろうと92.6%確信しております。

『君は即ち春を吸ひこんだのだ』という題名はお察しの通り、
新美南吉の言葉を引用させてもらっています。
それは日記に綴られてあったものです。

春はそれだけを抽き出すことが出来ない。
道や草や空気と一緒になつてゐる。
君が気持ちのよい空気をうんと吸ひ込んだなら、
君は即ち春を吸ひこんだのだ
君が柔らかい草を踏んだのなら即ち春をさはつたのだ。
(新美南吉全集第十二巻・219頁)

この言語感覚!!
きれいな言葉とはこういうものだと思います。

俳優さんたちにとって、良き舞台でありますように。